医院開業コラム

窓口でもらうお金から経費の支払いをしてもいいのか

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
医療機関の税務調査で問題になるのは、患者から受け取る保険診療の一部負担金とインフルエンザ等の予防接種、健康診断等の自由診療分の窓口負担金がきちんと収入に計上されているかどうかです。医療機関によってはこうした窓口で受取ったお金の中から日々の経費を支出しているところもあります。このようなやり方も間違いではありませんが、税務署や金融機関からの信頼性を高めるという点からはあまり望ましい方法とはいえません。できれば窓口の現金には手をつけず、1日に受取った現金を集計して後日普通預金に入金するという方法を取るのがベストです。なぜならば、1日に窓口で受取った金額の合計額が普通預金の通帳に記帳されることにより、第三者である銀行が確認したことになりますので、医院において窓口現金がきちんと管理されている証明になります。
また収入がそっくり普通預金に入金されていますので、銀行から見てもそれだけの収入が実際にあったということがわかります。それでは窓口から支出する経費はどうしたらいいのかと言えばその分は別に銀行から下ろして経費用の現金として管理すればいいのです。
一見同じようなことをやっているように見えても、お金の動かし方一つで税務署や金融機関の印象は大きく違ってくるということです。


2017-08/21