医院開業コラム

税金が高いので医療法人にしようと思うのだが実際どうなのだろうか

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
個人開業医に対して課税される税金は所得税と住民です。 このうち所得税は超過累進税率となっており所得が高ければ高いほど高い税率で課税されます。所得税と住民税を合わせた税率は、課税所得1800万円超で50%、4000万円超で55%もの高税率で課税されます。個人開業医の平均所得は約2900万円(平成25年医療経済実態調査より)ですから、50%の税率を適用されている医師が多いわけです。それに対して医療法人の場合は、約30%の比例税率となっていますので、所得が高い先生の場合個人と比べて約20%の税率差があります。個人開業医は課税所得が2500万円くらいになったころに医療法人化を検討します。個人開業医が医療法人化するためには、都道府県知事の認可が必要で、最低でも6ケ月の期間と申請の手間がかります。また医療法人化した場合には毎年所轄の法務局への登記と都道府県に対する事業報告等が必要で個人の場合と比べて管理が煩雑になります。もっともこうした仕事は医療法人の手続きに慣れた会計事務所に依頼すればお金を払えばやってもらえます。
医療法人の場合、毎年の所得が高い先生ほど1年あたりの節税額は大きくなります。
また長く続ければ続けるほど節税額は大きくなりますので法人化する場合には最低10年くらいは法人として続けることが望ましいです。具体的なメリットの額については医療法人に慣れた会計事務所にシュミレイションをしてもらってから判断するのがいいと思います。


2017-08/24