まじめにやっているつもりだが、頻繁に税務調査がある。なぜだろうか
【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
開業医は一般の事業と比較すると成功確率が高く所得も安定している業種といえます。ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
昨今は、開業医の数が増えたこと、高齢化社会に伴い増大する医療費を賄う財源が不足しているために開業医の診療報酬も抑え気味にされているため以前と比較すると減少傾向にはありますが、それでも一般の事業と比較すると所得は高くなっています。そうした開業医に対する税務調査も定期的に行われています。開業医の中でも収入所得が高い人、収入に占める自由診療の割合が高い人は特に税務調査の対象になりやすくなっています。
開業医の中には3年に1度税務調査を定期的に受けていると言う人もいます。こういう人は確かに収入や所得が高いということも一つの原因かもしれませんが、おそらくそれだけではないと思います。頻繁に税務調査の対象となる一番大きな原因は、税務署に残っている過去の税務調査の履歴(税歴帳)の内容に問題がある場合がほとんどです。
例えば、過去に自由診療を意図的に収入に計上しなかった事実があったとか、架空の領収証が経費計上されていたとかです。こうした記録が税歴帳に記載されていると税務調査の間隔が短くなり、調査の度に同じことが調べられその結果が記載されます。
従ってこうした税務調査が頻繁に行われることによる煩わしさから解放されるためには、以前の悪い履歴を反省し現在はきちんと税務上のルールにのっとった形で運営していることをどこかの調査できちんと示す必要があります。
また、こうした悪い履歴がある開業医は、指導している税理士の評価も税務署から見て低いものとなっていますので、新しい税理士に変えてみるのも一つの方法です。
さらに個人開業医の税歴が悪い場合には医療法人化すると税歴は0になりますので、法人化して出直すという方法もあります。
2017-09/04