分析→「じんざい」には4つのタイプがある
【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
開業を考えている先生方の多くが開業して成功するために必要な要素と考えていることが大きくわけて二つあります。ひとつはとにかく人が多くて競合する診療所が少ないいい場所で開業すること。もう一つは自分が持っている医師としての能力です。この二つは確かに開業して成功するために重要な要素と言うことができます。ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
しかしこれがすべてだと考えて開業していると後々うまくいかなくなっていくと思います。
まず、駅前や、周りに競合が全くないところ、ショッピングセンターなど医院として立地のいいところで開業している先生は、患者というのは場所さえよければ来るものだという考え方になってしまう傾向があります。場所のいいところというのは、どの先生も探しているので、開業した時は確かにいい場所だったとしても必ず競合診療所が出てきます。問題なのはそうした競合診療所が開業した時に患者がそちらへ流れて行ってしまうことです。新しい診療所ができれば患者から見れば選択の余地が増えますので一部の患者は流れてしまうのは仕方ないかもしれません。しかしもともと通院していた患者の満足度が高ければほとんどの患者はそのまま通院してくれるはずです。競合診療所が出来たことによって大幅に患者が減少するようなことがあったとしたらそれは今までの診療所の運営に問題があったと言えるのではないでしょうか。
このように場所だけで開業していると思っている先生は患者が沢山いるうちに競合でてきても負けない力をつけておくことが大切です。
次に医師としての能力についてですが、自分の医師としての能力が高いから患者が来るのだと思っている先生は、スタッフを大切にしない傾向があります。
患者は自分に診てもらうために来ているのだ。スタッフは誰でもいい。患者にとっては関係のないことと考えてしまうのです。こういう先生の場合確かに患者の数は多いかもしれませんが、スタッフの満足度が低く、しょっちゅうスタッフが入れ替わるために、いつも募集を繰り返すことになります。従ってスタッフの患者に対する対応も良くなく、結果的に患者満足度も低くなっていきます。こうした医院も、医師としての能力も高く、スタッフを育てることのできる医院が現れると簡単に負けてしまうと思います。医院経営はチームプレイです。いくらスター選手がいても一人では勝てません。チーム力が強いチームが勝つのです。
2017-09/25