医院開業コラム

ロールプレイングで立場の違いによる考え方の違いを理解する

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
沢山の患者が来ているクリニックのスタッフの中には、患者に対して上から目線で話したり、紋切り型の対応をしたり、待たされたり対応が遅いことにいらいらしている患者を無視するような態度を取る人がいます。こういうスタッフと言うのは、沢山の患者さんが来てくれてありがたいという気持ちなど全くなく、逆に患者が沢山来すぎるから自分はこんなに忙しいのだと思っています。患者の方もそのようなスタッフの態度を見てどのように思うでしょうか。スタッフの対応は最悪だが先生がいい人なので来ている患者もいるでしょう。また、近くにいいクリニックがないので仕方なしに来ている患者もいると思います。
いずれにせよこのようなスタッフがいるクリニックというのは、なにかのきっかけ、例えば近くに競合のクリニックがオープンする等があれば患者がクリニックに来なくなってしまう危険性があると言えます。それではどうしてそのようなスタッフは患者に対して患者が不快に感じるような態度を取ってしまうのでしょうか。それは、一言でいえば、患者の気持ちを理解していないからです。
クリニックは病気になった患者が来るところです。痛みや苦しみ、心配なんとか和らげてほしいと思って来ているのであり、クリニックに来ること自体もレストランで食事をするのと違って決して楽しいことではないのです。クリニックのスタッフはこうした患者の気持ちを心から理解し、患者を元気づける立場でいなくてはならないのです。こうした自分の立場が分からないスタッフに対して有効なのが、ロールプレイングです。ロールプレイングでは実際のクリックの現場を想定して各自が役割を決めてそれぞれの立場になって相手に質問し質問された方はその質問に答える形で進めていきます。
例えば一人が、患者になり、もう一人が事務員になって実際の場面で起こりそうなやり取りを行ってみます。そして次に立場を逆にして同じことを行います。
両方の立場をやってみた後に、お互いに感想を述べ問題点を話し合って実践に生かしていきます。こうすることにより普段の自分に足りなかったものに気付くことができるのです。このロールプレイングは、医師と患者と言う役割で やってみるとドクター自身にとってもとても勉強になると思います。



2017-10-30