医院開業コラム

しょっちゅう従業員が辞めて困っている

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
沢山のクリニックを見ていると、従業員が定着せずしょっちゅう退職してしまうクリニックがあります。また、今は従業員が安定しているが、従業員の退職が続いた時期を経験した先生は多いのではないでしょうか。こうした従業員の入れ替わりの激しいクリニックには特徴があると思います。それはそういうクリニックの院長は、従業員が辞めてしまう理由は、もっぱら従業員の問題と考えていることです。たしかに従業員の退職理由を聞いていると「親が病気になったため」とか「主人が転勤になったとか」「学校に行って勉強したい」「体調が悪いので」等いろいろなことを言ってきます。これらの退職理由は本当の場合もあるとは思いますが、従業員の入れ替わりが激しいクリニックでは、表向きの理由であって本当の退職理由は別のところにある可能性があります。
つまり本当の退職理由は従業員の問題ではなくてクリニックに問題があるのではないかということです。例えばそれは、院長が嫌いとか、他の従業員が嫌いとか、労働条件が悪いとか、仕事の進め方に納得がいかない等です。こうした従業員の不満を院長が拾い上げることができているかどうかが従業員の定着率に大きく影響します。
こうした従業員の不満を拾い上げるために有効なのは、従業員に対してアンケートを取るとか、個人面談をして、クリニックに要望すること、クリニックに対する提案等を聞くことです。そしてそれらの意見をクリニックの経営に実際にいかしていくことが重要です。従業員も自分の意見を院長が取りいれてくれるのだということがわかれば、クリニックに対する愛着も深まり定着率も高くなっていくと思います 。



2018-1-19