医院開業コラム

配偶者の性格がきつくて、現場の従業員から嫌われている

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
クリニックの仕事を院長夫人が手伝うというのは、どこのクリニックでも普通に行われていることです。院長夫人がクリニックの仕事を手伝えば、仕事内容に応じて毎月の給与や賞与を支給することができます。支払う方の院長から見れば所得分散になりますので、所得税等の節税になります。また受け取る方の配偶者から見れば自分が自由に使えるお金が増えるので嬉しいと思います。このような形で給与をもらっている院長夫人の仕事内容はクリニックによって異なります。先生はクリニックの経営のことには一切タッチせず、診療のみに専念し、それ以外の経営や、マネージメントの部分は院長夫人がすべておこなっているクリニックもあります。クリニックでは、金銭を扱いますので、お金の管理は信用できる身内にやってもらいたいと考えて、窓口現金の回収や、銀行の入出金を行っている。
院長夫人もいます。また、クリニックの書類の整理や、会計帳簿の記帳、給与計算、社会保険の手続き等事務作業を中心に仕事をしている院長夫人もいます。その他他のスタッフと同じように、受け付けに立って患者の対応にあたっている院長夫人もいますし、看護師として院長の診療をサポートしている院長夫人もいます。このように院長夫人の仕事の範囲はとても広く院長夫人の能力や持っている資格、クリニックの個別事情によりやっている仕事の内容は決まっていくようです。この場合問題になるのは、院長夫人の仕事の能力よりも、性格の方です。特に他のスタッフと一緒に仕事をする場合、院長夫人が他のスタッフから尊敬され、愛される人であれば、現場はなごやかになり仕事もうまく進むのですが、逆に性格がきつくて他のスタッフから嫌われるような人の場合、現場は混乱します。
場合によっては、院長夫人が嫌だからクリニックを退職するということが続出する場合もあるのです。このような理由でスタッフが次々に辞めていくと。クリニックのサービスも低下し、結果的に患者からの評判も悪くなってしまいます。院長夫人というのはスタッフから見れば、遠慮して言いたいこともいえない一段上の存在である場合が多いと思います。院長は配偶者の性格を客観的に見て、現場のスタッフとうまくやれる人かどうか判断する必要があります。性格的に見て難しい場合には、表に出さないで、事務作業や、銀行のお金の出し入れ等裏方の仕事を手伝ってもらうようにした方がいいと思います。



2018-1-29