会計事務所はどうやって選べばいいのか
【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
医院開業において会計事務所はとても重要な存在です。開業後は、金銭の管理や、帳簿の作成、給料計算、損益計算、税務申告、納税資金の準備等会計事務所と契約しないとこれらの業務を医院単独で行うことは困難です。それでは会計事務所はどうやって選べばいいのかですが、それは会計事務所に求めるサービスの内容によって異なってくると思います。単に帳簿記入や、給与計算、決算書申告書の作成だけしてもらえばいいと考える先生は、安価な昔ながらの会計事務所に頼むのも一つの方法です。しかし、患者数が多く利益も沢山出るような先生の場合には、医療法人化や、節税対策等が必要になり、また税務調査も厳しくなると予想されますので、医療機関の税務に慣れた会計事務所に依頼されることをお勧めします。筆者も医療専門会計事務所として20年以上やってきていますが、昔と今ではクライアントが要求するサービスの内容も変わってきています。昔は、なにもしないでも患者が来たので、会計事務所は経営のことは口出しせずに、税金の計算だけやってくれればいいというスタンスでしたが、最近では、どうやって患者を増やせばいいのか、よその医院はどんなふうに経営しているのかというご相談を受けたり、経営が苦しくてお金が足らないので、資金調達を手伝ってくれないか等のご相談が増えてきています。こうしたニーズにこたえるためには医療税務だけでなく医療経営に強い会計事務所を選ぶことがポイントになります。有能な会計事務所と契約すれば必ず顧問料以上の利益を医院にもたらしてくれると思います。ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
2017-05-29