医院開業コラム

開業資金とは物を買うお金なのか

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
開業資金には、土地建物の建築資金や、建物を賃借するために必要な保証金、医療機器の購入代金のように物を購入する資金(設備資金)と薬品代や家賃、人件費、その他経費、生活費等に使われる資金(運転資金)の2つがあります。
設備資金は物を買って出て行ってしまうお金なので、開業後はその取得に必要な借入金だけが残ります。従って設備資金が多額だと、開業後の返済額が大きくなり、結果的に沢山の収入が必要になります。たくさんの収入を得るためには開業後にたくさんの患者を診なければやっていけないことになります。開業直後は患者の数も少ないのでくれぐれも設備投資が過大にならないように計画を立てないと、開業後の損益分岐点が高くなり苦労することになります。開業前は特に医療機器等は最小限にとどめておき、開業後収入の伸び具合や、医療機器の必要性を考えながら徐々に設備投資を増やしていった方が安全といえます。

2017-06-02