医院開業コラム

銀行からのお金の借り方は?

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
開業資金の調達先としては、1.日本政策金融公庫や、福祉医療機構のような公的な金融機関からの融資2.各都道府県の保証協会の保証付き融資3銀行独自の開業ローン4.リース会社からの融資等があります。土地を購入あるいは借りてその上に建物を建築して開業するような場合には、福祉医療機構からの融資が金利も低く、長期間貸してくれるので大変有利です。しかしこの融資については診療所不足地域に限定されますので、都心部でたくさんの診療所があるような地域で開業する場合には使うことができません。
銀行融資については各銀行によって開業資金に対するスタンスは異なりますが、概していわゆるメガバンクは、ドクターの開業資金融資には積極的ではなく融資に際しては担保や保証協会の保証を要求してきますのであまりお勧めではありません。それに対して開業医の融資に積極的に取り組んでいるのが地方銀行です。基本的には地方銀行はその銀行の本拠地周辺で業務を行うのが原則ですが、地方の景気が悪いために積極的に人の多い都市部への出店を行っています。そうした地方銀行が特に力を入れているのがドクターの開業資金に対する融資なのです。条件は各銀行によって異なりますが中には1億円まで無担保でドクターの保証のみで大丈夫というところもあります。また金利についても地方銀行同士の競争がおきており1.8%前後とメガバンクや日本政策公庫よりも低くなっています。
地方銀行の場合開業する場所によって融資対象とならない場合がありますので注意が必要です。場所のいかんを問わず事業計画を見て開業資金を融資してくれるのがリース会社です。リース会社から借りることに抵抗を感じる先生もいらっしゃぃますが、交渉次第では、低金利で長期間多額の資金を融資してくれる場合もありますので狙い目です。
どこの金融機関から融資を受けるにしても審査が必要であり、その審査の際に必ず必要になってくるのが、事業計画書です。実現可能と思われるようなしっかりとした事業計画書を金融機関に提出することが融資を受ける上では大変重要です。


2017-06-06