医院開業コラム

リースと借入どちらがいいのか

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
医療機器の導入にあたりリースと購入のどちらがいいのかという質問をよく受けます。
医療機器業者の中には、購入よりリースの方が得だと言っている人もいますが、これは間違いです。
リースの場合、銀行からお金を借りて医療機器を購入し、そこに金利、固定資産税、保険料、利益を加味してリース料を計算します。従ってお金が借りられるのであれば、お金を借りて購入した方が金額的には安くすみます。またリースの場合、その機器が古くなったり必要なくなったら契約期間の途中でも物件を返却すれば残りのリース料を支払わなくて済むと思っている先生もいますが、実際にはそうでなく契約期間中に解約した場合には残ったリース料を全額支払わなくてはなりませんので、購入した場合とかわりません。さらに当初の契約期間が終了した後も自分のものになるのではなくて、リース料の1ケ月分で次の1年間再リース契約をしないと物件を使用することができなくなります。 ただ、リースの場合リース会社同士の競争が激しいので、リース会社の利益の部分は少なくなっていますので、購入した場合には劣りますが、金額的にそれほど大きな差がない場合もあります。
特に与信力が低く銀行からお金を借りにくい人の場合、リースは有力な資金調達手段と言えます。
購入とリースについて導入機器の種類で見ていきますと。レントゲンのように一度導入したら入れ替えることがないようなものや滅菌機のような低額なものは購入。超音波診断装置や電子カルテのように定期的に入れ替えていくものはリースが適しているといわれています。


2017-06-21