医院開業コラム

開業前の広告は必要か

【ライター】湯沢会計事務所 代表税理士 湯沢勝信
ドクターにとっての第2の人生と言える「開業」が、先生にとっても、先生のご家族にとっても、また地域の住民にとっても意義深いものとなっていくことを祈念いたします。
そしてこのコラムが、少しでもお役に立てれば幸いです。
開業当初患者数はなにもしなければ通常は少ないのが普通です。医院の存在をまずは周辺住民の人達に知ってもらうことが一番初めにやらなければならないことです。そのために必要なのが広告ということになります。
医院の広告方法としてはいくつかの方法がありますが、その中でも開業時に効果が高いものとしては1.看板2.折り込み広告3.内覧会ということになります。

1. 看板

医院の存在を知ってもらうために最も有効な媒体は自分の医院の看板です。医院が1階であればファザードも含めた間口全部を使って、医院であること、診療科目、診療時間をアピールすることが可能です。また2階以上であれば袖看板や入口の所に移動式の立て看板を設置して上階に患者を誘導する必要があります。ですから看板はこだわって作成することが重要です。遠くから見てわかりにくい小さな文字や、細い文字、薄い色は目立たず効果が半減します。出来るだけ大きな看板に大きな文字、白抜き文字等を使って目立つようにしたいものです。看板はいわば医院の営業マンと同じだと考えてください。
実際既存の医院が看板を変えただけで発見されやすくなり新患の数が増えたという例はいくらでもあります。そのくらい看板は重要なのです。

2. 折り込み広告

開業当初の集客で非常に効果が高いとわかっている広告が新聞の折り込み広告です。
新聞の折り込み広告は、A41枚程度の大きさの中に、1.医院名2.診療科目3.開業予定日3.診療日診療時間4.内覧会実施日等を印刷してそれを各社新聞に折り込んで配布してもらうというものです。
通常は内覧会予定日の前の週の日曜日に実施します。
この場合どれくらいの枚数を配布するのがいいのかということですが、数で言うと最低5万部できれば10万部くらい配布するといいと思います。
なぜそんなに沢山配布した方がいいかということですが、これには理由があります。
一つには医院の折り込み広告はそれを見た人が病気になったときのために保管しておく傾向があるからです。つまり配布時点だけでなく効果が長続きするということです。
もうひとつの理由は医師会との関係です。折り込み広告は集患効果が高く有利すぎるので、何度行っても法的には問題ないのですが、医師会の紳士協定で1階だけ認めるとしているところが多いからです。周りの開業医と仲良くやっていくためにはローカルルールを守ることも大事です。従ってワンチャンスの折り込み広告を有効に活用するためには可能な限り部数を増やした方がいいと思います。


2017-06-28